毎日原付を乗り回している私を、常連の皆様は「危ないからやめろ」という。川崎では普通だった原付。どうやら田舎ではとんでもないことだったようで、誰に話してもやめろと言われた。確かに、原付は走っていないのだ。。。

ママは車関係の仕事をしているSさんに「娘の車を探してきてちょうだい!」と話したようだ。



職を探すにあたって職安へ手続きをしに行った。田舎の職安は遅い。なんなんだ。窓口がひとつしかない。番号札を取って、じっと1時間近く待っていた。窓口には同じ人がずっと座って粘っていた。

暇だった・・・・

ふと、その窓口の人を見たら、それはSさんだった。Sさんは少し前に会社をやめて独立したと聞いていた。



窓口担当が席を外した時、Sさんのところへ行って声をかけた。「お!!」とびっくりされた。

「何してるの?」と聞いたら「手続きに来たんだけど遅くてよ。」と怒っている。・・・って、後ろに並ぶ私は、それが終わらなきゃ進まないってことだわ。結局、Sさんは手続きを済ませ、その何人か後に私も手続きを済ませたら、外ではSさんが待っていてくれた。



「全く、なんだか。遅くてやってられん」とブツブツ。

それから車の話になった。「車欲しくないの?」と聞かれたけど「維持費はかかるし、そもそも車を買えるお金があったらこっちになんか戻ってくる必要なかったもん。原付で十分。仕事だって電車通勤で探すもん」と、不満をぶちまけた。「そうか。。。」と話は聞いてくれたけど「でも、車はあったほうがいいと思うよ。ここは田舎だし、あるのが普通の土地なんだよ。車を持っていない人は、車も持てない人。って思われるよ」と。

「なにかいいやつ、探してきてやるから。」と言われ、その時はそこで別れた。




数日後。また職安へ手続きに行くため、ママの車を借りて家を出た。そしたら見慣れない携帯から電話だった。
転職活動をしている身としては電話が頼り。すぐ車を停めて、その番号へかけ直してみたら・・・Sさんで「俺の携帯壊れてさ、この携帯はお袋のなんだけど。車の件で話しようと思って。今日は空いてる?」とのこと。これから職安へ行く事を話すと、偶然にも職安の向かいにある病院に来ているとのことだった。
じゃあ、その病院の駐車場で話しましょう。と電話を切り、すぐ向かった。もう少しというところで電話をしていたので、1分ぐらいで到着。
Sさんのお母さんが朝から体調が良くないとのことで病院へ連れてきたとのことでした。



「車さ、どうせ買うなら気に入ったのがいいでしょ?安い買い物じゃないし。どんな車が好きなのか知らないから、ちょっと中古車屋へ見に行ってみようと思って。そこでは買わないよ。見に行くだけ」



ということで、後日車を見に行く約束をした。



約束の日。Sさんと待ち合わせをして、近くの中古車屋へ行ってみた。正直、車に興味を持ったこともないし、その時点でも車を買うことに対して不満感があったので色々聞いても全く判らなかった。それをそのままSさんに話したら「でもさ、好きな色とか嫌いな色とかぐらいあるでしょ?」と言われ、それもそうだと思い、好きな色と嫌いな色を話した。
2軒ぐらい廻って、しばらく車を走らせていたSさん。「あのね、もう目的は終わって行くとこもないんだけどさ。。。今は何となく走っているだけなの。このあとはどうする?お昼食べようか。」と、Sさんが気に入っているという担々麺を食べに連れて行ってくれた。
そして午後からは用事があるとのことで、送ってもらい別れた。